【楽典】ピアノの速度記号と速度標語一覧|楽譜の意味を理解しよう

タイトル_楽典_速度記号と速度標語

ピアノの楽譜を目の前にして、音符ばかりに気を取られていませんか?音符以外にも、楽譜の中にある「記号」や「標語」は、曲を深く理解する上で重要な鍵になります。

たしかに記号や標語は多く、覚えるのが難しいと感じるかもしれません。しかし、これらをマスターすれば、あなたの演奏は一気に深みを増し、より豊かになります。

この記事では、そんな速度記号と速度標語の基本をわかりやすく、実用的に紹介します。

こんな人におすすめ
  • 楽譜の記号や標語を理解して、ワンランク上の演奏を目指したい方
  • ピアノの記号や標語を教える音楽教室の先生

さらに、スマホの壁紙にできる速度標語一覧もプレゼント!

次回の練習からあなたの演奏は確実に変わります。ぜひ、この機会に楽譜の「真の意味」を手に入れてください。

今回紹介する内容は「よくわかる楽典の教科書(ゼロからすぐに身につく本)を参考にしています。

目次

速度記号とは曲のテンポを正確に数字で表す指標

速度記号とは

ピアノ楽譜をはじめとする音楽の楽譜には、さまざまな記号や標語が使われています。

その中でも「速度記号」は、演奏のテンポを具体的に示すための欠かせない要素です。速度記号を理解することは、曲を正確に表現する上で非常に重要です。

速度記号でテンポの指定する方法

速度記号は「速さの基準に使う音符」と「具体的な数字」がセットで、以下のように表現されます。

速度記号の見方

この場合、1分間に60拍、四分音符が入る速さを表しています。

数字は1分間の拍数、音符は速さの基準を示しています。

速度記号の例1

例1は1分間に四分音符が120個入る速さという意味です。また、例2は1分間に二分音符が60個入る速さを示します。

つまり、例1と例2のテンポは同じ速度です。このように1分間の拍数だけでなく、基準となる音符も併せてテンポを確認しないといけません。

基準の音符と数字の両方をチェックすることが大事です。

速度記号に使う音符のルール

速度記号とともに表示される音符もテンポを示す上での重要な役割を果たしています。

この音符の選び方にもルールがあります。通常、速さの基準に使う音符は「拍子記号の分母の音符」です。例1は「4分の4拍子」なので四分音符、例2は「2分の2拍子」なので2分音符が速さの基準になります。

しかし、3拍を一塊として考える複合拍子では「3拍分」の長さを使うのが一般的です。

速度記号の例2

例3のように「8分の6拍子」であれば、8分音符3つ分の長さである付点四分音符、例4のように4分の3拍子であれば付点二分音符を使うこともあります。

テンポに合わせて練習するにはメトロノームが必須

テンポの確認にはメトロノームが使われています。1,000円程度で販売されているので、今後のために1つ持っておくのがおすすめです。

電子ピアノであれば、メトロノームの機能がピアノ本体に内臓されていることが多いので、購入の前に確認しましょう。

速度標語とは曲の速度や雰囲気を表す言葉

速度標語とは

速度標語は、音楽のテンポや雰囲気を示すための言葉です。多くはイタリア語で表記されており、それぞれが持つ意味やニュアンスによって、曲の表現します。

Largo, Adagio, Andanteなどの速度標語一覧

速度標語は数多く存在します。代表的なものを、速度が遅い順に一覧にしました。

  • Lento(レント):非常に遅い、落ち着いた速度
  • Largo(ラルゴ):非常にゆっくり、広々とした速度
  • Adagio(アダージョ):ゆっくりと、穏やかに
  • Andante(アンダンテ):歩く速さ、落ち着いた速度で
  • Moderato(モデラート):中程度の速さで、適度に
  • Allegro(アレグロ):速く、楽しく、心地よいテンポで
  • Vivace(ヴィヴァーチェ):生き生きと、かなり速いテンポで
  • Presto(プレスト):非常に速く、急速に

このように、速度標語は速度と雰囲気がセットになっています。また、速度は曖昧な表現となっているため、演奏者の判断に委ねられています。

速度標語は「速度」と「雰囲気」の両方を覚えるのは大変です。だから壁紙で覚えましょう。

テンポの変化を指定する速度標語一覧

速度標語にはテンポを少しずつ変化させる意味の標語もあります。代表的なものを一覧にしました。

  • Accelerando (アチェレランド):徐々に速く 
  • Stringendo(ストリンジェンド):徐々に急迫して
  • Ritardando(リタルダンド):次第に遅く
  • Rallentando(ラレンタンド):次第に遅く
  • Ritenuto(リテヌート):直ちに遅く
  • A tempo(ア・テンポ):元の速度で

リタルダンドとラレンタンドは「次第に遅く」と同じ意味です。リタルダンドは「能動的に遅らせる」、ラレンタンドは「遅くなってしまう」と少し異なりますが、現在はほぼ同じ意味で使われます。

X(旧Twitter)でスマホの壁紙にできる画像をアップしています。ぜひ、画像をダウンロードして役立ててください。

自由に弾く指示の速度標語一覧

速度標語の中には、特定のテンポを指示するものだけでなく、演奏者の解釈や表現に合わせて弾くという指示もあります。これらの標語について、よく使用されるものを紹介します。

  • ad libitum (ad lib.)(アド・リビタム):「思うままに」や「自由に」
  • rubato(ルバート):「盗む」という意味。テンポを一時的に緩めたり速めたり自由に
  • fermata (フェルマータ):通常よりも長く、一定の音または休止を持続させる
  • a piacere(ア・ピアチェーレ):気に入ったように
  • tempo giusto(テンポ・ジュスト):正確な速さで

「イタリア語から学ぶひと目で納得!音楽用語事典」は、用語のニュアンスから詳しく解説されています。

速度記号と速度標語の違い

速度記号か速度標語か

速度記号と速度標語は、どちらも楽曲のテンポを示すために使用されます。しかし、その指示の方法や目的、また音楽的な効果には明確な違いが存在します。

速度記号は数値で正確、速度標語は雰囲気も伝える

速度記号と速度標語の違いをまとめてみました。

スクロールできます
速度記号速度標語
速さの指示数字で具体的正確ではない
演奏の雰囲気不明判断できる
速度記号と速度標語の違い

速度記号は具体的な数値によってテンポを示すのに対して、速度標語は演奏の感情やニュアンスを伝えるものです。

クラシック音楽では、楽曲の感情や性格を伝えたり、演奏者に一定の解釈の余地を残すために速度標語が多く用いられています。一方、最近の音楽はパソコンで作られることも多く、リズムも複雑なため速度記号がよく使われます。

速度標語と速度記号の速さのイメージ

速度標語では具体的な速度は記載されていません。しかし、速度標語だけでは演奏速度に困ってしまう方は、以下を目安にしてください。

  • Lento(レント):40~60 BPM
  • Largo(ラルゴ)45~50 BPM
  • Adagio(アダージョ):55~65 BPM
  • Andante(アンダンテ):76~108 BPM
  • Moderato(モデラート):108~120 BPM
  • Allegro(アレグロ):120~168 BPM
  • Vivace(ヴィヴァーチェ):168~176 BPM
  • Presto(プレスト):168~208 BPM

※BPM(Beats Per Minute)は1分当たりの拍数を示しています。

速度標語をBPMで表すツイート、生徒に教えるのに役立つって声もいただいています。

まとめ:最初に楽譜の速度記号と速度標語をチェック

まとめ_速度記号と速度標語

新しい楽譜を見たときに、私たちは多くの記号と標語のチェックが必要です。知らない記号や標語もたくさんあるかもしれません。でも、音楽の心を伝える「速度記号」と「速度標語」の役割は重要です。

速度記号は楽曲のテンポを具体的に示す数値で、メトロノームで確認できます。曲の情熱や冷静さ、急激な動きや穏やかな流れを正確に演奏するための指針となります。

速度標語は音楽のテンポや雰囲気を示す言葉で、演奏の自由度を高めるような指示も含まれています。

速度記号と速度標語の違いは次のとおり。

スクロールできます
速度記号速度標語
速さの指示数字で具体的正確ではない
演奏の雰囲気不明判断できる
速度記号と速度標語の違い

同じ速さでも、速度記号と速度標語で感じ方やイメージは異なり、これが音楽の奥深さや魅力の一部となっています。

音楽の楽譜には、これらの魔法のような言葉や記号が散りばめられています。それらを理解し、感じることで、曲の真髄や演奏者の意図に触れることができるのです。

この記事はこちらの本を参考にしています。楽典をもっと知って、練習している曲をもっと理解したい場合は参考にしてください。

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この記事を書いた人

ピアノ歴30年以上!
4歳からピアノを習い始め、会社に入って10年以上たった今もピアノ継続中。
2週間に1回レッスンに行っています。

ピアノは100歳になっても続けれらるので、私の一生の趣味になると思います。
このブログではピアノに関して、私の経験やおすすめ情報を紹介しています。

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